第八回『ロレント編』

エステルたちは、霧の発生範囲を探るため、街道を見て回る。
ざっと調査し終わり、ギルドへ報告に向かう途中、かすかに鈴の音が聞こえた。
それ以外に異変はなかったため、とりあえずギルドへと戻る。


霧の大まかな発生範囲を地図で照らし合わせるが、これといった特徴は見つからない。
ただ、霧が晴れる場所の境が、露骨なほどハッキリとしているくらいであった。
何か起こるまで待機するしかないかと話していた矢先、市長が飛び込んできた。
何と、夕方頃に住人の何人かがいきなり昏倒し、眠ったまま意識を取り戻さないのだ。


とにかく、被害者が倒れた前後の状況を調べるべく、聞き込みを開始するエステルたち。
結果、全員に共通しているのが、倒れた瞬間を目撃していないこと。
つまり、何者かが誰にも見られていない瞬間を狙って、被害者を眠らせた可能性が高い。
また、ルックの倒れた現場近くに、不審な黒衣の女性も目撃されていた。
恐らくは結社の『執行者』であろうと当たりをつけるものの、居場所が判らないのではどうにもならない。


詳しい捜査は明日にして、その晩は男性陣に見回りを任せ、エステルたち女性陣はブライト家で休息をとる。
真夜中、扉を開ける物音で目を覚ましたエステルは、独り酒を飲みながらタロットを手繰るシェラザードを発見する。
シェラザードにヨシュアのことを打ち明け、エステルは未だ迷いを振り払えないまでも前に進むことを決める。


翌朝、霧は更に濃くなり、範囲も広がっていた。
また、昏倒した人々も眠り続けたままであった。
ひとまず、鉱山と農園の人々の避難誘導のため、男女各四人の組のまま向かう。
エステルたちは農園へと向かったが、入り口に入るや否や、鈴の音が聞こえてきた。
昨夕、被害者が倒れたときも、何人かが鈴の音を耳にしていたのだ。
只事ではないと感じたエステルたちは、すぐに母屋へ向かうが、正面玄関は閉ざされていた。
仕方なく裏へ回るが、その僅かな時間差で、犯人には逃げられてしまう。
そして、農園の人々は全員、街の人同様に眠らされていた。


自分の力がカシウスに及ばなかったから、と農園の人々を助けられなかったことを悔いるエステル。
シェラザードはそんな彼女を一喝し、カシウスもまた百日戦役でレナを助けられなかった、それでも立ち止まらなかったことを告げる。
エステルは、自分の心の奥から沸き立つ思いを自覚し、迷いを振り払う。


農園の人々を駆けつけたグラハム神父に任せ、ロレントに戻るエステルたち。
軍の警備も配置が完了し、鉱山の農夫達も無事に帰還できた。
そして、王都から護衛任務に戻ってきたリッジが、ミストヴァルトの近くで鈴の音を聞いたことを知る。
エステルたちを嵌めるための罠と知りつつも、今は飛び込むしかないと決め、ミストヴァルトに向かう。


ミストヴァルトの奥には、幻覚によりそれまで閉ざされていたセルベの大樹への道が開いていた。
大樹の根元までやってきたエステルたちは、樹にゴスペルが取り付けられ、周囲の泉から霧が発生していることを知る。
突然濃くなった霧に視界を閉ざされ、遠くに鈴の音を聞きながらエステルたちは眠りに落ちていった。


エステルが目を覚ますと、そこはブライト家の軒先であった。
庭ではカシウスが薪割りをし、そして玄関から死んだはずのレナが迎えに出てきた。
幼少の頃に戻ったエステルは、しばし幸せな日々を送る。
しかし、二階の物置で見つけたハーモニカによって、そんな生活も終わりを迎えた。
二階のテラスでハーモニカを試しに吹いたエステルは、かつてヨシュアが吹いていた『星の在り処』のメロディーを思い出し、そしてこの世界は夢なのだと静かに悟る。
母の温もりを思い出し、思い出の中のレナに別れを告げて、エステルは現実の世界へと戻っていった。


目を覚ましたエステルたちの前に、新たなる『執行者』が現れる。
執行者No.Ⅵ『幻惑の鈴』ルシオラ。
それは、かつてシェラザードが居た一座の占い師で、シェラザードにとって姉のような存在でもある人だった。
ルシオラは戦う気はなく、ゴスペルの実験の意味は教授とレーヴェに聞けと告げ、去っていった。


ロレントのギルドに戻ったエステルは、仲間にヨシュアと空賊の写真を見せる。
今は違う道を歩いていても、目指す場所が同じならきっとまた会える、そう信じて自分の道を歩くことを告げるエステル。
定期船の運航も再開し、本来の目的地ボースへ向けて、旅立つのだった。


しかし、『身喰らう蛇』の福音計画は、着実に進められていた。
霧吹き渓谷の奥地にて、ワイスマンと剣帝が、データ収集と称して刃を向けた相手は、『竜』―――。




休みということもあって一気に進めましたが、いいですねぇ、シェラ姉の魅力全開という感じで(笑)
エステルとシェラ姉の絆の深さが、見て取れるエピソード郡でした。


あと、夢の中でエステルが『星の在り処』を吹くシーンは、個人的にストライク。
ボロボロとはいきませんが、涙が滲んできましたよ、ええ・・・・・・。
それにしても、レナさんは流石エステルのお母さん。いい性格してます(笑)


結局、手配魔獣などの掃討にはオリビエとジンさんを同行。
オーブメントの調整不足で、何度かピンチになりましたが、何とか平均レベルまで引き上げられました。
特定の属性アーツしか効果がない魔獣が、今回は多かった気がします。
まぁ、毎度毎度Sクラフトの連発で勝ててしまってはツマラナイので、ちょうど良かったですわ。


サブクエス
釣り場探訪:ロレントの釣り場を教えてね
釣行師団ならではのクエストですね。
ロレントには水辺が少ないので、ざっと回っていればすぐに判りますが、セルベの大樹周辺と地下水路が見落としやすいですね。
特に前者は、ボースに向かう直前のタイミングでしか行けませんからね〜。


迷い猫捜索:アリルちゃんを探してね
前作をやった人にとって、マタカヨ!なクエスト(笑)
昏倒した被害者の聞き込み中にしか出来ないので、あやうく見逃すところでした。
子猫の名前を『クローディア』の『クロちゃん』とするのは、ぜひともクローゼに意見を聞きたかったところ。
まぁ、二つ返事で賛成するのでしょうけど。


発掘許可証の盗難:カードの謎を解いてね
毎度おなじみ怪盗クエスト(笑)
恒例ということで、わざわざクローゼを仲間に入れてやり直したりしました。
前作でもそうだったのですが、『八つ目』を読むと『八個目』の意味に捉えてしまうので、ちょっとややこしいですわ。
で、地下水路の魔獣が仲間を呼ぶわ回復するわで鬱陶しいことこの上なく(汗)
増援の回数に上限があったのが、せめてもの救いですね〜。


懐かしの料理:郷土料理のレシピを調べてね
怪盗クエストと同時進行していたので、次に何を探しに行けばいいのか、忘れてしまったりしてました(笑)
見つかったのはアレンジ料理のレシピで、ボーナスなしかなぁ、と思いきやそれが正解だったとは。
BPにプラスはなかったですが、レシピが増えて結果オーライ。


酔わない薬:ゼアセトの秘薬の材料を持ってきてね
岩崎はんのコメント通り、飲む機会がやってまいりました(笑)
結局、アイナさん最強伝説に新たな一ページが加わることにガクガク。
ちなみに、オリビエがパーティ内に居ようがいまいが、いつの間にか入り込んできます。
もっとも、それだとエステル以外のキャラの台詞が1/2になるので、感想コンプリートを目指すならオリビエ他一名、でやったほうがいいかもしれませんね。


さて、お次はボース。いよいよリベール編も大詰めってところでしょうか。
デモムービーに出てきた竜も登場してきたので、面白くなってきました。