SIMPLE DSシリーズ THE 鑑識官

このゲームは、鑑識捜査官「江波識子」となって、数々の事件を鑑識の観点から解決するゲームです。
ニンテンドーDSのゲームということで、指紋採取や千切れた紙の復元など、タッチスクリーンならではのゲーム感覚が、非常に面白いです。
また、集めた証拠品を専門家に鑑定してもらうのですが、そこで聞ける専門的な話もなかなか奥が深く、特に死亡推定時刻の類推に関する知識は濃いものが聞けます。


現場に残った微細な残留品から、事件の様相を推理、犯人に辿りつくまでの過程はしっかりとしていて、無理がありません。
こんなものからそこまで判るのか、と舌を巻くことも多々ありました。
もっともゲームの話なので、誇張はあるんでしょうけどね。
特に、情報処理担当の擬人コンピュータ「かんこさん」の万能ぶりは、反則です(笑)
でも、実際の科学捜査もこれに近いレベルまできていそうな気はします。


ここまで書くと、本格的なリアルサスペンスゲームに思えますが、主人公の識子の周りには、ご先祖の霊や猫又など、人外が溢れてます(笑)
設定上、基本的に一人で捜査することが義務付けられているので、識子の会話相手兼相談役、というのが主な役割です。
あくまで助手としての存在であって、事件そのものに霊的なものが絡むわけではありません(オマケの一話以外は)


ゲームの難易度もちょうどよく、キャラの掛け合いも面白いです。
さらにいえば、キャラデザも女性陣は可愛らしく、男性陣はかっこいい人もいれば渋いオッサンもいたりと、バラエティ豊かです。
これで2800円は、けっこうお買い得だと思います。
惜しむらくは、総プレイ時間が約10時間と、短めなことでしょうか。
地盤はしっかりしているので、『鑑識捜査官 江波識子』とかいうタイトルで一本、じっくり作ってもらえたらなぁ、とそんな事を夢見つつ、前作に当たるPS2版をプレイ中です(笑)