第十二回『ボース〜ロレント〜ルーアン』

『輝く環』が出現した日の夜、突然導力灯が停止したため、人々は混乱し、各地のギルドや市長邸、オーブメント工房に詰め寄った。
幸い、暴動までには至らなかったが、全ての導力が停止している状況では流通も間々ならず、人々に不安の影を落とす。
取り急ぎ、対処しなければならなかったのが王国軍とギルドの通信網であった。
その対策には、カシウスの要請で、ラッセルが研究開発していた『導力停止現象を打ち消す装置』が役に立った。
狭い範囲内でしか効き目がなく、未だ量産体制の整っていないものだったが、何とか関所や要塞に配れるだけの数を揃えられた。
エステルたちは、各都市の偵察がてら、ギルドの通信機に装置を設置しに回ることに。


ボースからまず向かったロレントでは、定期船が動かずに立ち往生しているくらいで、取り立てて混乱はなかった。
田舎のマイペースな雰囲気と、導力の依存度の低さが幸いしたようだ。
しかし、マルガ鉱山のほうで魔獣の巣に繋がる穴を塞ぐ工事が予定されていたことが、アイナにとって気がかりだったため、エステルたちは見回りに出かける。


坑道に着いたエステルたちは、導力が止まっていたエレベータを装置で何とか動かすようにし、下へと降りる。
すると、作業員の一人が、多数の魔獣に襲われていた。
魔獣を掃討し、まだ奥に監督以下数名の作業員が残っているのと、護衛で来ていた遊撃士が魔獣を食い止めるために群れに飲み込まれたことをエステルたちは聞かされる。
急いで作業員達を救出し、魔獣の群れに飛び込むエステルたち。
間一髪、満身創痍のリッジを巣の主から救うことに成功した。


同じように魔獣の被害で困っているところがないか見回りつつ、ルーアン地方に向かうエステルたち。
ルーアンでは跳ね橋が上がった状態で止まり、街区の移動が非常に不便になっていた。
のみならず、導力が停止した夜は、人々が暴動寸前になるまでの騒ぎを起こしていた。
しかし、ギルドや教会の神父、そしてレイブンたちが人々を宥めたため、大事には至らなかった。
同じようにギルドの通信機を回復させ、周辺の見回りに出るエステルたち。
ジェニス学院に向かう途中、結社の機械獣に襲われる学院の生徒に出くわす。
その生徒によると、学院が紅蓮の兵士と人形兵器によって占拠されたというのだ。


ギルドに待機していた仲間と合流し、学院を遠巻きに観察する。
入り口は重装甲の人形兵器で塞ぎ、敷地内には多数の兵士が巡回しているようだった。
敵の人数と位置関係、人質のいる場所の把握などのため、単身学院に潜入するヨシュア
調査中、学院長とギルバートとの会話を盗み聞きする。
今回の学院選挙は、ギルバートの主導で行われたものだったのだ。


一通りの調査を終え、エステルたちの元に戻るヨシュア
敵の詳細が判ったものの、陽動と人質救出を同時にやるには、人数がどうしても足りない。
王国軍へ救援を要請しても、飛行船の使えない今、時間がかかりすぎてしまう。
そこへ、ジャンの要請でギルドからクルツ、カルナ、グラッツ、アネラスの四人が応援に駆けつけた。
エステル、ヨシュア、アネラス、クルツのメンバーが裏から侵入し人質を救出、他の六人が敵主力を正面のほうに惹きつける、という分担となった。


カルナの火薬式アサルトライフルティータのガトリング砲が火を吹き、救出作戦は始まった。
想像以上の火力に、すぐに敵兵力は正面玄関のほうへと集中する。
その隙に旧校舎のほうから潜入したエステルたちは、ジルとハンスからもらったリストを参考に、次々と人質を解放していく。
しかし、残り一人という段になって、その人と思しき悲鳴を聞きつける。


悲鳴を頼りに旧校舎の中へ入ると、ギルバートが女生徒を人質にしていた。
ギルバートはその女生徒こそが、お忍びで在籍していたクローディア姫だと思い込んでいたが、その子はまったくの別人であった。
だが、人質に取られていることに変わりはない。何とか隙を見出そうとするエステルたちを救ったのは、クローゼに遣わされたジークであった。
猛スピードでギルバートに体当たりし、女生徒が離れた隙を突いて、エステルたちは一気に攻め立てた。
しかし逮捕の直前、カンパネルラが割ってはいってきた。
カンパネルラがギルバートに命じたのは王国内を混乱させること。それ以上の余計な企てをし、失敗したギルバートにお仕置きを加え、学院には手を出さないことを約束して、カンパネルラは去っていった。


救出作戦は無事成功、主犯には逃げられたものの、人質だった生徒と教師は全員無事であった。
今回のような、導力停止下だからこそ起こりうる事態もある。
そのことを心に刻み、次のギルドへと向かうエステルたち。
残るはツァイスのギルドだけであった。




電気が急に使えなくなった場合・・・・・・停電を経験した人なら判ると思いますが、非常に困るのと同時に、不安でイッパイイッパイになります。
そういう意味では、この導力停止下のリベールは、他人事ではないリアルさを感じますね〜。


軽いサブクエストがないので、ちょっとがっかりしていましたが・・・・・・まさか王立学院占拠事件が起こるとは!
潜入調査のヨシュア、作戦立案に助っ人参戦、並んで火線を集中させるカルナ&ティータ、BGM『奪還』をバックに突入するエステルたち。
燃える!!(笑)
うん、これでこそ『空の軌跡』です、お腹イッパイ。


ギルバート君はコレにへこたれず、また何かを企んでほしいですね。
叩きのめすけど(笑)


さてさて、お次のツァイスでは何が起こるのやら。
その前にちょっと王都に寄り道〜。あと、四輪の塔の屋上に敵がいるとかいないとか。
それらも確認ですわ。