第十一回『六章 絆の在り処』

ボースでの竜事件がひと段落し、これで五大都市全てで実験が行われたことになった。
レーヴェのいう『ハーメル』や結社の目的など、不明なことは多い。
しかし、五つの事件に立て続けで関わってきたエステルたちは、メイベル市長の計らいもあって、ヴァレリア湖畔の川蝉亭で三日間、休暇をとることにした。


四輪の塔の調査に来ていたグラハム神父を加え、一時の休息を楽しむエステルたち。
しかしエステルは、暮れなずむ夕日を見て、ヨシュアと共に来たときのことを思い出す。
感傷に浸っていたエステルを、グラハム神父は気遣い、しばし語り合う。
そこへ、一隻のボートが桟橋に流れ着いた。
それに乗っていたのは、深手を負ったクルツであった。


クルツを川蝉亭の一室に寝かせ、グラハム神父は応急手当をする。
クルツたちは結社のアジトを探っており、近日中に目星を付けられそうだと、ギルドに情報が入っていた。
目を覚ましたクルツはしかし、クーデター事件の時同様、暗示によって記憶を奪われていた。
グラハム神父は七耀教会の秘術により、その暗示を解く。
記憶を取り戻したクルツは、結社のアジトに潜入し、執行者によって返り討ちにあったことを語る。
何とかクルツだけは脱出できたが、アネラス、カルナ、グラッツの三人は捕らえられた可能性が高い。


王国軍とギルドに報告し、アジトに急行するエステルたち。
部品工場も兼用した研究所然としたそこは、既にほとんどの人員が退去した後だった。
代わりに、暗示によって操られた遊撃士三人が襲ってきた。
何とか退け、グラハム神父によって暗示を解く。
そこで、正気を取り戻したアネラスから思いがけない情報を得る。
アネラスは敵兵士と交戦中、ヨシュアらしき人物の援護を受けたというのだ。


急ぎ、ヨシュアが向かったと思しき屋上へ向かうエステルたち。
待ち構えていたヨシュアに似せた人形兵器と闘い、何とか撃退するが、その隙をつかれ睡眠ガスで眠らされてしまう。
目を覚ましたグラハム神父たちは、そばにエステルだけがいないことに気づく。
屋上に出たグラハム神父たちが見たものは、飛び去る結社の飛行艇とレーヴェに抱きかかえられたエステルだった。


エステルが目を覚ますと、そこは結社の飛行空母、紅の方舟『グロリアス』の一室であった。
そばで起きるのを待っていたレンの案内で、教授の待つ大聖堂を訪れるエステル。
待っていたのは、アルバ教授こと『蛇の使徒』が一人『白面』のワイスマンだった。
ヨシュアが消えるキッカケを作り、そう仕向け、なおかつ白を切るワイスマンに、エステルは殴りかかる。
しかし、それは気配を絶っていたレーヴェに阻まれる。
レーヴェを初めとた執行者たちに囲まれる中、ワイスマンはエステルに結社へ入ることを提案する。
そうすれば、すぐヨシュアに会うことが出来るだろう、と。


ワイスマンたちは計画の第三段階実行のため、各地に散っていった。
軟禁されながら、一人思い悩むエステル。
そこへ、残っていたレーヴェがやって来る。
エステルはレーヴェから、ヨシュアの過去、ハーメルの悲劇を聞く。
帝国がリベール侵攻の口実のため、ハーメルで大虐殺を行ったこと。
ヨシュアとその姉カリンは待ち伏せていた兵士に襲われ、姉を守るためにヨシュアが兵士を殺したこと。
その兵士の最期の抵抗で、カリンはヨシュアを守るために死んだこと。
帝国が、ハーメル村は傭兵団に襲われたこととして、事実を隠蔽したこと。
様々な現実が、ヨシュアの心を打ち壊したこと。
すべてを聞き終え、ヨシュアの闇を知ったエステルは、迷いを断ち切り、結社には入らないことを告げる。


奇策により、軟禁室からの脱出に成功したエステルだが、艦首甲板で敵兵士に囲まれてしまう。
そこでエステルを助けたのは、兵士に偽装し、潜入を果たしていたヨシュアだった。
再会を喜ぶ間もなく、二人の前にレーヴェが立ちふさがる。
ヨシュアは前もって仕掛けていた、機関室のトラップを発動させる。
エステルのために切り札を切ったヨシュアの甘さを指摘し、レーヴェは去っていった。


用意していた飛行艇で脱出を図るヨシュアエステル。
辛くも方舟から発進できたが、追撃に出た三隻の飛行艇に苦戦する。
そこへ現れたのは、カプア一家の飛行艇『山猫号』だった。
『山猫号』の援護を受け、何とか追っ手を振り切ったエステルたちは、メーヴェ街道の砂浜に降りた。


再び、エステルの元を去ろうとするヨシュア
ヨシュアは、自分の心が壊れているから、姉を失った悲しみも、エステルを想う気持ちも他人事のように感じると語る。
しかしエステルは、それは姉を失った時のショックを思い出したくないだけだという。
自分の元から去ろうとするのも、カリンと同じように失うのが怖いから。
ヨシュアの背中を守れるだけ強くなり、二人一緒ならそう簡単には死なないことを誓い、エステルはヨシュアの背中を抱き寄せた。


助けてくれた空賊たちと別れを告げ、エステルとヨシュアはグランセルに戻り、女王アリシアに事の顛末を報告する。
ヨシュアが空賊とともに行動した件は、結社の情報と引き換えに不問とし、ハーメルの悲劇を知りながら、沈黙することしか出来なかったことをアリシアは詫びる。
自分の第二の故郷を守ってくれたアリシアに感謝こそすれ恨む気持ちなどないことを、ヨシュアは告げる。
そこへクローゼたちが駆けつけ、ヨシュアの帰還を喜ぶ。


しかし、既にリベール各地において、結社の計画第三段階は進められていた。
各地に突如出現した、人形兵器と思しき魔獣の群れ。
そして、四輪の塔の屋上に、謎の闇が出現していた。
闇の周囲では、導力停止現象が発生しており空からは近づけず、地上からの部隊は執行者によって撃退される。
各地の魔獣に対処するため、王国軍は大規模な部隊を派遣できない。
そこで、エステルとヨシュアを中心とした遊撃士の少数精鋭が、塔の調査を請け負うことになった。
アリシアからクローゼはアルセイユを借り受け、それを母艦としてエステルたちは、四輪の塔の調査を開始するのだった。




ついつい一気にやってしまったので、六章の内容まるまる書かなければいけない羽目に(笑)
まぁ、いいんです、面白かったから。


さて、やっとヨシュアが仲間になりました。
正直、もうちょっと引っ張るかと思ったんですが、言葉による説得で篭絡(え
前作のエステルならガチンコで殴りあうくらいしそうですが、大人になったものです(笑)


ヨシュアに向けた言葉は、ずっと一緒に居たエステルだからこそ言えたものですね。
ヨシュアが何を見てどう感じ、どんな答えを出したのか。
完璧に近い形でトレースしてしまうあたり、さすがヨシュア観察の第一人者です。


しかし、あのイベントで流れる『星の在り処』・・・伴奏+ハーモニカはなかなか反則です。
歌いだしでちょっとウルッときちゃったじゃないかよ!


ハーメルの悲劇・・・概ね想像通りでしたが、実際にありそうな話で、ほんとロクデモないことですね(汗)
リベールがどれだけ関わっているか心配でしたが、直接の関与はしてなかったみたいで一安心。
王国と帝国が組んで起こしたことだったりしたら、クローゼはヨシュアに顔向けできませんものね。
まだ二章ほど残ってますが、『実は・・・』なんてことにはならないことを祈ります(笑)


そして、何とここでオリビエ離脱。
しかも、帝国が何やら動き出してる?次に会うときは敵同士って、えええぇぇぇーーー!(笑)
う〜ん、正直『輝く環』よりもこっちのほうが気になってきてしまいました(笑)


さて、これから執行者と対決するみたいですが。
まずは怪盗ブルブラン。
メンバーはエステルとヨシュアは固定ですから、クローゼとジンさんをチョイスです。
ジンさんは、ヴァルターとの対決が控えているので、ここらでレベル上げをしおこうかと。
あと一応因縁がらみでクローゼを。まぁ、回復役が居なかったので丁度いいですね。


そんなメンバー構成で四輪の塔攻略開始です〜。



余談:結局、ル=ロックは除いて、リベール以外の土地には行かないのでしょうかね?(汗)