第九回『ボース到着〜竜討伐前』

ボースに到着し、いつものごとくギルドに顔を出すエステルたち。
今、ボースでは特に異常は発生していないが、いつもに比べて魔獣が凶暴になっており、手配魔獣の数も増えていた。


差し当たってやることのなかったエステルたちは、手配魔獣の掃討に赴く。
クローネ峠、霧吹き谷、琥珀の塔の手配魔獣を倒したエステルたちだったが、どうも魔獣の様子がいつもと違っていた。
まるで何かに怯えるかのような行動を取っていたのだ。
それについてアガットには心当たりがあるようだったが、とりあえず報告に戻ることになった。


ルグラン老人に報告をすると、ルグランにも魔獣たちの様子は不可解なものだった。
アガットの心当たりとは、十年前の百日戦役の直前、同じように魔獣たちが怯え暴れていたのだ。
ルグランは百日戦役の後に支部に配属されたため、その当時のことは知らなかったのだ。
百日戦役に匹敵する事態、それが何であるのかはすぐに判った。
突然の衝撃が、街全体を揺るがす。
急いで外に出たエステルたちが見たものは、ボースマーケットの屋根に圧し掛かる、巨大な竜の姿だった。


思わず呆然とするエステルたちの前に、『身喰らう蛇』の執行者No.Ⅱ『剣帝』レオンハルトが現れる。
レオンハルト、通称レーヴェは、竜の背に跨り空へと飛び去っていく。
アガットは単身、それを追跡する。
エステルたちもアガットを追おうとするが、マーケットに取り残された人々がいたため、彼らの救助を優先させる。


負傷者の手当てと救助を終えたエステルたちは、ギルドでアガットの連絡を待つ。
そこへラヴェンヌ村から通報が入る。
古代竜がラヴェンヌ村を襲い、果樹園を燃やし尽くしていったのだ。
アガットもまた、果樹園の消火に当たっているという。
急ぎ、ラヴェンヌ村へ向かうエステルたちだったが、果樹園は全焼、アガットも行方が判らない。
ただ、竜は廃坑のほうへと飛んでいったと聞き、アガットはそれを追って行ったのだと当たりをつける。


以前、空賊が定期船を隠していた天然掘りの場所に、竜とレーヴェはいた。
アガットは激情のままにレーヴェに斬りかかるが、簡単にいなされてしまう。
修羅にもなれぬ半端者と嘲り、レーヴェは止めを刺そうとするが、そこへティータが割ってはいる。
身を挺してアガットを庇うティータ。レーヴェは王国軍の警備飛行挺が到着したのを期に、剣を引く。
導力銃器の一斉射撃にもビクともしない竜を操り、レーヴェはエステルに謎の警告を残して去っていった。


駆けつけたモルガン将軍は、遊撃士は竜の件から手を引くように云う。
導力砲ですら歯が立たなかった竜相手では、遊撃士の手には負えないのだ。
しかし、軍もまた役立たずだとアガットはモルガンに食って掛かる。
気力が尽き倒れてしまうアガットに、モルガンは十年前を思い出す。
そしてエステルたちは、モルガンの口からアガットの妹が、十年前に死んでいることを聞かされるのだった。


十年前、百日戦役でラヴェンヌ村近郊で王国軍と帝国軍の衝突があった。
強固な防衛線に帝国軍は焼夷弾を用いたが、その流れ弾がラヴェンヌ村を襲い、アガットの家を焼いた。
防衛線の指揮をしていたモルガンは、だからアガットの妹が死んだのは、自分の責任だという。
しかし村長は、アガットは誰よりも、妹を守れなかった自分自身が許せないのだと告げる。
身軽で民間人の保護を優先する遊撃士に、大切なものを守れる可能性をアガットは見出したのだと考えたエステルは、竜討伐に遊撃士も手伝えるようにモルガンに懇願する。


これからの軍議で提案することを約束し、モルガンはハーケン門へと戻っていった。
結果は夜、ギルドのほうに伝えられるということで、アガットの看病にティータを残し、エステルたちはボースへ戻る。
その夜、目を覚ましたアガットはティータにミーシャのことを語る。
村が焼夷弾に襲われたとき、ミーシャはアガットの誕生日プレゼントを取りに戻ったたために命を落としたのだ。
そのことを今でも引きずり、重剣を振るうことで忘れようとしていた自分を嘲るアガット。
だがティータは、自分が慕う部分もたくさんあるのだと涙ながらに訴える。
ティータの涙と言葉が、アガットのわだかまりを解いていく。
自分の道を、アガットはようやく一歩踏み出した。


その頃ギルドでは、軍議の結果が伝えられた。
遊撃士一同は軍艦に同乗し、オブザーバーとして同行することになったのだった。






前作からお似合いだとは思っていましたさ、アガット×ティータは。
そんな人にとって、この章でのイベントはタマリマセンナ(笑)
12歳差、一歩間違えれば犯罪すれすれのものがあります。
だが、そこがいい!(爆)


やっとエステルたちの前におでましのレーヴェ君。
てっきりレオンハルトが結社での通り名で、レーヴェが本名かと思ってましたが、通称なんですね。
アガットに半端者といい、自分は修羅になるために剣を振るうといってますが、その割りに孤児院の皆を助けたり、エステルに忠告したりして、非情になりきれてないような気がしなくもないです。
恐らく彼もハーメルの遺児で、ヨシュアの姉の恋人、ってとこでしょうかね?
仲間、にはならないか・・・緑川ボイスを堪能したかったのに(笑)


幕間にて、ゴスペルの本来の機能が判明しましたね。
『導力吸収』と『端末』としての機能。
となれば、ありえない現象を起こしていた大元が『輝く環』で、封印されていた間は『導力吸収』だけしか使えなかった、ということでしょうかね〜。


「現状を踏まえて、お前はワシに何をしてほしい?」ラッセル博士とカシウス父ちゃんの会話が素敵(笑)


サブクエス
食材探し:新メニュー開発に必要なんです
あまり野外料理をしていなかったので、依頼受領時点で食材は揃ってました。
ちなみに、前回のゼアセトの秘薬用の材料も、揃ってました。偶然釣った魚が役に立つとは(笑)


お嬢様捜索:お見合いから逃げたのです。
クローゼとの絡みは、もうちょっと深いかと思いましたが、意外に淡白。
まぁ、同級生とはいえこんなものでしょうかね〜。
この二人の関係は、これからも気になるところです。ちゃんと友人同士になれればいいのですが。


帝国勲章捜索:最大の屈辱なのです
いつものアレ(笑)
今回はちょっと趣向が凝らされ、文字遊びの要素が入ってますね。
ネタを考えるのは大変でしょうが、頑張ってFalcomさん。



さて、お次は竜との空中戦ですか・・・果たしてどうなることやら、楽しみです。